Flutter/DartのDriftパッケージでDAOクラスを作成してデータベースを操作する

はじめに

Flutterアプリケーションのデータベース操作を簡単に行うためのライブラリとして、Drift(旧moor)パッケージがあります。DriftはSQLiteデータベースに対する操作を抽象化し、Dartのコードで完結させることを可能にします。この記事では、特にDAO(Data Access Object)クラスの作成方法について詳しく見ていきましょう。

Flutterでのローカルデータベース管理:Driftパッケージの紹介

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はじめに Flutter開発者として、ローカルデータベースの操作はアプリケーションのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスに大きく影響します。この記事では、この課題を解決する助けとなるパッケージ、Driftについて紹介します。 参照)Dr...

FlutterのDriftパッケージでDAOクラスを作成する方法

Flutterアプリケーションのデータベース操作を簡単に行うためのライブラリとして、Drift(旧moor)パッケージがあります。DriftはSQLiteデータベースに対する操作を抽象化し、Dartのコードで完結させることを可能にします。この記事では、特にDAO(Data Access Object)クラスの作成方法について詳しく見ていきましょう。

Driftとは?

Driftは、SQLiteデータベースを操作するためのPure Dartパッケージです。SQLクエリの書き方を覚える必要がなく、コンパイル時にクエリの検証を行うことが可能です。

DAOクラスとは?

DAOクラスは、データベースとの接続を抽象化し、データベースへの具体的な操作を隠蔽する役割を果たします。DAOを使用することで、アプリケーションの他の部分がデータベースの内部構造や操作について知ることなく、データの読み書きを行うことができます。

DAOクラスの作成方法

Driftを使ってDAOクラスを作成するためには、以下の手順を踏む必要があります。

    まず、タスクを表すテーブルとエンティティを作成します

    class Tasks extends Table {
      IntColumn get id => integer().autoIncrement()();
      TextColumn get name => text().withLength(min: 1, max: 50)();
      BoolColumn get completed => boolean().withDefault(Constant(false))();
    }

    次に、このテーブルに対する操作を定義するDAOクラスを作成します

    下記コードでは、基本的なデータベースの操作を行っています。詳細な処理に関しては下記を参考にしてください

    Flutter/DartのDriftパッケージでのSELECT操作:詳細なガイド

    Flutter/DartでDriftパッケージを使用したデータのInsert方法

    Flutter/DartのDriftパッケージを使ったデータベースのデータ更新

    Flutter/DartのDriftパッケージでデータベースのデータを削除する

    @UseDao(tables: [Tasks])
    class TaskDao extends DatabaseAccessor with _$TaskDaoMixin {
      final MyDatabase db;
    
      TaskDao(this.db) : super(db);
    
      Future<List> getAllTasks() => select(tasks).get();
    
      Stream<List> watchAllTasks() => select(tasks).watch();
    
      Future insertTask(Task task) => into(tasks).insert(task);
    
      Future updateTask(Task task) => update(tasks).replace(task);
    
      Future deleteTask(Task task) => delete(tasks).delete(task);
    }

    最後に、使用するテーブルとDAOを登録するデータベースクラスを作成します

    @DriftDatabase(tables: [Tasks], daos: [TaskDao])
    class MyDatabase extends _$MyDatabase {
      MyDatabase() : super(FlutterQueryExecutor.inDatabaseFolder(path: 'db.sqlite'));
    
      @override
      int get schemaVersion => 1;
    }

    より詳細な情報や具体的なコード例については、公式のDriftドキュメンテーションを参照してください。

    まとめ

    Driftパッケージを使うことで、FlutterアプリケーションでSQLiteデータベースを簡単に扱うことができます。DAOクラスを作成することで、データベース操作をより明確かつ安全に行うことが可能になります。また、Driftを用いた開発はSQL操作を抽象化し、静的型チェックも提供するため、データベースエラーによるバグの可能性も大幅に減らすことができます。