Flutter/DartのDriftパッケージでのSELECT操作:詳細なガイド

flutter

はじめに

Flutter開発者として、データベースの操作は日常的な作業の一部であり、その中でもSELECT操作はデータベースから情報を取り出す基本的な方法です。この記事では、FlutterのDriftパッケージを使用してSELECT操作を行う方法を詳しく解説します。

Driftの導入に関してはこちらを参考にしてください

Flutterでのローカルデータベース管理:Driftパッケージの紹介
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DriftでのSELECT操作

公式のドキュメントを参考にして解説していきます

操作の説明をするためにまずは下記ようなテーブルを定義しています

class Users extends Table {
  IntColumn get id => integer().autoIncrement()();
  TextColumn get name => text().withLength(min: 1, max: 50)();
  DateTimeColumn get birthday => dateTime().nullable()();
}

全レコード取得

Driftでは、以下のようにしてテーブルからデータを取得します:

final users = await db.select(db.users).get();

1レコードのみ取得

1レコードのみ取得します。ここではデータがなければエラーになります

final users = await db.select(db.users).getSingle();

次にレコードがなければnullを返すようにするには下記のようにします

final users = await db.select(db.users).getSingleOrNull();

条件を指定

特定の条件を満たす行だけを取得することができます。以下のコードは、名前が”Alice”のユーザーだけを取得します

..whereとなっているのはtypoではないです

final aliceUsers = await (db.select(db.users)..where((u) => u.name.equals('Alice'))).get();

ソート

結果を特定の順序でソートすることも可能です。以下のコードは、ユーザーを誕生日の新しい順にソートして取得します

final sortedUsers = await (db.select(db.users)..orderBy([(u) => OrderingTerm(expression: u.birthday, mode: OrderingMode.desc)])).get();

whereと組み合わせる際は下記のようになります

 final aliceUsers = await (db.select(db.users)
      ..where((u) => u.name.equals('Alice'))
      ..orderBy([
            (tbl) => OrderingTerm(expression: tbl.id, mode: OrderingMode.desc)
          ]))).get();

このコードでは名前がAliceというユーザで誕生日を新しい順にソートして取得します

結合

また、Driftでは複数のテーブルを結合してクエリを実行することも可能です。例えば、ユーザーとその注文を結合するには次のようにします

ordersテーブルを下記のように定義します

.references(Users, #id)の部分でordersテーブルのuserIdとusersテーブルのidとの関係を定義しています

class Orders extends Table {
  IntColumn get id => integer().autoIncrement()();
  IntColumn get userId => integer().references(Users, #id)();
  TextColumn get product => text().withLength(min: 1, max: 100)();
  RealColumn get price => real()();
  DateTimeColumn get orderDate => dateTime().nullable()();
}

下記ではusersテーブルのidとordersテーブルのuserIdを結合させてそれぞれのデータを取得しています

final orders = await db.select(db.orders).join([
  innerJoin(db.users, db.users.id.equalsExp(db.orders.userId)),
]);

for (final row in orders) {
  final order = row.readTable(db.orders);
  final user = row.readTable(db.users);
  print('User ${user.name} ordered ${order.product}');
}

今回はinnerJoinを利用していますがouterJoinも当然あるので外部結合の場合はこちらを利用してください

まとめ

以上がDriftを使ったSELECT操作の詳細なガイドです。強力なSQLサポートとコンパイル時の型安全性により、DriftはFlutterでのデータベース操作を容易にします。特定の条件で行をフィルタリングしたり、結果を特定の順序でソートしたり、さらには複数のテーブルを結合したりといった複雑なクエリも、簡潔なコードで実現できます。

しかし、上記の例はDriftの提供する機能の一部に過ぎません。Driftはその他にも集約関数、カスタムクエリ、トランザクションのサポートなど、より高度なデータベース操作をサポートしています。また、Driftは非同期プログラミングを深くサポートしており、データベース操作がアプリケーションのパフォーマンスを阻害することなく、スムーズにデータベースの読み書きを行うことができます。