前回の記事：ChatGPTを活用した効率的なプロンプトの使い方：ChatGPTとは何か?
2.1 ChatGPTの理解の仕方
ChatGPTは人工知能の一種であり、自然言語を理解し生成する能力を持つモデルです。しかし、重要な点として、ChatGPTは人間のように意識的な思考や感情を持つわけではありません。むしろ、数百億の単語を基にした訓練データに基づいてテキストを生成します。
つまり、あなたがプロンプトを提供すると、ChatGPTはそれを単なるテキストとして解釈し、そのテキストに基づいて反応します。このプロンプトと反応のパターンを理解することで、ChatGPTの反応をより正確に予測し、より効果的なプロンプトを作成することが可能になります。
2.2 プロンプトの基本的な書き方
2.2.1 具体性
良いプロンプトは具体的であるべきです。具体的なプロンプトはChatGPTに明確な方向性を提供し、それによってより具体的な反応を得ることができます。
例えば、「ローマ帝国の歴史を教えて」というプロンプトは広範であり、ChatGPTはどこから話を始めるべきか、またどの程度詳しく話すべきか判断するのが難しいです。一方で、「ローマ帝国の滅亡の主要な原因を教えて」というプロンプトは具体的で、ChatGPTはこのトピックについて具体的な情報を提供することができます。
2.2.2 明確性
良いプロンプトは明確であるべきです。明確なプロンプトはその目的や要求を明確に表現します。曖昧なプロンプトは一般的に曖昧な反応を引き出し、その結果、その反応がユーザーの期待に合わない可能性があります。
例えば、「あなたは何ができますか？」というプロンプトは曖昧で、ChatGPTはそれが何を指しているのかを確定することが難しいです。一方で、「あなたはどのように自然言語処理を行いますか？」というプロンプトは明確で、ChatGPTはこの質問に対して具体的な情報を提供することができます。
2.2.3 完全性
良いプロンプトは完全であるべきです。完全なプロンプトは全ての必要な情報を提供します。不完全なプロンプトはChatGPTに必要な情報を提供しないため、その反応がユーザーの期待に合わない可能性があります。
例えば、「ポエムを書いて」というプロンプトは不完全で、ChatGPTはそのポエムが何をテーマにすべきか、またどのようなスタイルで書くべきかを決定するのが難しいです。一方で、「春をテーマにした感動的なポエムを書いて」というプロンプトは完全で、ChatGPTはこの指示に基づいて具体的なポエムを生成することができます。
2.3 プロンプトの応用的な書き方
2.3.1 順序を利用する
ChatGPTは提供されたプロンプトの順序を考慮します。したがって、一連の指示をプロンプトとして提供することで、特定の出力を引き出すことができます。
例えば、「親友に送る誕生日のメッセージを考えて。でも、そのメッセージはユーモラスであるべきだ」というプロンプトは、特定のスタイルのメッセージを生成するようChatGPTをガイドします。この場合、最初の指示が全体的な目標を設定し、2つ目の指示がその目標をさらに具体化します。
2.3.2 役割を利用する
プロンプトに役割を導入することで、ChatGPTの出力をガイドすることができます。役割を指定することで、ChatGPTはその役割に従った反応を生成します。
例えば、「あなたが有名な歴史家で、私があなたの学生だと想像してください。私が明日のテストで成功するためには、フランス革命についてどんな重要な点を覚えておくべきでしょうか？」というプロンプトは、ChatGPTに対して歴史家としての視点で情報を提供するよう指示します。
2.3.3 事前知識を活用する
ChatGPTは大量のテキストデータに基づいて訓練されているため、多くの一般的な知識を持っています。そのため、その知識を活用するプロンプトを作成することで、特定の情報を引き出すことができます。
例えば、「最新の天気予報に基づいて、私が今週末のピクニックを計画するべきか教えてください」というプロンプトは、ChatGPTに対して天気予報を考慮したアドバイスを提供するよう指示します。
2.3.4 感情を含める
ChatGPTはプロンプトの感情的なトーンを理解する能力も持っています。したがって、特定の感情的な反応を引き出すためには、その感情をプロンプトに含めることが有効です。
例えば、「とても落ち込んでいる友人に送る慰めのメッセージを考えてください」というプロンプトは、ChatGPTに対して慰めのメッセージを生成するよう指示します。
2.4 まとめ
この章では、プロンプトの基本的な作成方法から高度な作成方法までをカバーしました。具体性、明確性、完全性というプロンプトの3つの基本的な特性を理解した上で、順序の利用、役割の利用、事前知識の活用、感情の含め方という4つの高度なプロンプト作成戦略を探求しました。これらの知識を装備して、読者は自分だけの効果的なプロンプトを作成する能力を磨くことができます。
次の章では、これらの原則を応用して具体的なプロンプトの例を見ていきます。さまざまな目的と状況に対応するプロンプトの設計を通じて、理論的な知識を具体的なスキルに変換する機会を提供します。